最近、岸田政権の資産所得倍増計画の記事やニュースをよく見かけるようになりました。
今回は、資産所得倍増計画が進められていった場合の、資産運用への影響や、どのような資産に投資をしていくのがいいかについて考察してみます。
資産所得倍増計画とは?
岸田政権による資産所得倍増計画のニュースが流れ始めた発端は、2022/5/5に岸田首相がロンドンの金融街シティーで講演をした際に、「米国では家計金融資産がこの10年で3倍、イギリスでは2.3倍になったのに、日本では1.4倍にしかなっていない」と述べ、貯蓄から投資への動きを促す旨の発言をしたことにあります。
具体的にどのような政策が行われていくかはまだはっきりしていませんが、日本の家計金融資産は約2,000兆円ありますが、大半が預貯金であったため資産の伸びが小さかったということを指摘しているようですので、今後、株式や投資信託への投資を促すための制度(IdecoやNISA)を拡充することが予想されています。
資産所得倍増計画による資産運用への影響は?
仮に、IdecoやNISAなどの非課税投資制度が拡充されるとなると、株式や投資信託での資産運用を考えている人にとっては、税負担が減りますので、資産運用面ではプラスの影響があります。
また、より多くの人が投資をすることになれば、買い手が増えることによる株価の上昇や、流動性の増加、投信の規模拡大による経費率低減などのコストメリット、より充実した投資関連情報チャネルの整備など、中長期的には多くのメリットが出てくると思います。
どのような資産に投資をしていくのがよいか
資産倍増計画で好影響がありそうな資産
これは筆者の想像ですが、おそらく、新たに投資を始める方の多くは、以下のものに投資するであろうと思われます。
- インデックス投資信託への積立投資
eMAXIS日本株、米国株、世界株など - 日本の高配当株への配当金狙いの投資
特に、個人に名前の通った銘柄(NTT、KDDI、MUFG、SMFG、商社等) - 米国の高配当株への配当金狙いの投資
特に、個人に名前の通った銘柄(J&J、P&G、コカ・コーラ等) - 日本の優待銘柄(イオン等)
優待は廃止する企業が増えてきているので、人気化はしないかも知れません - REIT
高配当株同様、定期的な収入がありますので、個人には人気が出ると思います
インデックス投資信託への積立投資は、おそらく国が最も推し進めたいと考えている投資スタイルでしょうから、積立NISAの拡充のような形で、制度的な後押しがされると思います。
そのため、新規の資金流入による運用総額の増加などの好影響が考えられます。
また、配当株は個人に人気ですので、税金が優遇されるとなると高配当株やREITへの資金流入もあると思います。
投資戦略
これらの予想される影響を踏まえて、いくつかの投資戦略が考えられると思います。
案①高配当株、REITへ資金が流入することを見越して、先回りで投資。
高配当株やREITで割安なものがあれば、人気化して株価が上がる前に買っておいてしまうということが考えられます。
一方で、配当金への税優遇を確実に受けようと思うと、制度に沿って税優遇を受けられる形で投資をする方がよいので、現時点でNISAなどの非課税枠に空きがない場合は、制度発表まで待つ方がよいかもしれません。
案②eMAXISなどのインデックス投信の積立投資を開始
たくさんの方が選択しそうな、低コストで、メジャーなインデックス投信であれば、制度拡充により資金流入が続くと思われます。
eMAXIS Slim全世界株式や米国株式への積立投資であれば安心して開始できるかなと思います。
案③米国高配当株に投資
個人投資家に人気が出そうな銘柄(J&JやP&Gなど)を先に買っておく、ということですね。
資産所得倍増計画が実行に移され、今後、貯蓄から投資への流れができると、投資の一定割合は海外資産に向かうと思います。
その際、為替フローとしては、円売りドル買いになります。
今は急ピッチで円安が進んでいるため、海外資産への投資は円高に戻るタイミングを待ってから、と考えてしまいますが、逆にこれ以上円安になってしまう前に海外資産を購入していった方がよい、とも言えます。
私の想像では、政権が資産所得倍増計画、というものを言い出した背景には、日本のファンダメンタルズ(人口の伸び等)が米国などと比べて弱く今後も実体経済の成長が見込みずらいため、実体経済の成長にだけ頼っていては、日本の国力はどんどん落ちていってしまう、という危機感もあるのかなと想像します。
これは個人の投資でも同様のことが言え、今後どんどん日本の国力が衰えてしまい、その結果円安が進んでいくと、いままで蓄積した円の金融資産の価値も目減りしていってしまいます。
そうなってしまうと、魅力的な海外資産があっても、いまより多くの円を使わないとその資産を購入できないというような状況になります。
そうなる前に、ファンダメンタルズが強い米国などの外国企業の株主になっておけば、仮に将来実体経済としては日本の国力が衰えていったとしても、資産からの所得で一部をカバーすることができます。
また、想像と逆で円高になれば、持っている円の価値が上がりますし、円で稼ぐ給与の価値もあがるのでそれはそれで喜ばしいことです。
資産所得は海外資産、事業(給与等)所得は日本、という方がリスク分散という観点でもよいのかなと思います。
まとめ
今回は、資産所得倍増計画が実行に移された場合に、どのような影響がありそうかについて考察をしてみました。
この計画があるからといって、投資対象を大きく変える必要はなく、インデックス投資や高配当株などへの投資を続けていく、ということで問題ないというのが個人的な意見です。
為替については、現在は少し前に比べて急激な円安が進んでいるため、海外資産への投資は円高になるまで待とうと考えてしまいますが、日本経済のファンダメンタルズの弱さ等も考えると、為替レートはあまり気にせず、時間分散はしながら海外資産の購入は淡々と進めていくのがよいのかも知れません。

個人的にも現預金の割合が大きすぎるのは問題だと感じていたので、為替レートはあまり気にせず海外資産の購入を進めていこうと少し考えを改めるきっかけになりました。
現時点ではまだかろうじて残っている日本の強み(金融資産)をうまく活用して、何とか子供達の世代にも日本の国力や富を引き継いでいければいいなと思います。
円資産だけを持つリスクについての記事はこちら




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