「資産形成においては、アセットアロケーションが大事」
「アセットアロケーションが投資の成否の90%以上を決める」
投資や資産運用の世界でよく聞く話です。

各年代の理想のアセットアロケーション、みたいなことって証券会社のサイトとかブログとかでも書いてあるよね

でも結局、我が家の場合はどういうアセットアロケーションにしたらいいのかっていうのが、よくわからない。

みんなに共通の一番いいアセットアロケーションってないんだよね。各家庭で年齢も家族構成も価値観も、いろいろ違うから。

それだと話が進まないわ

わかったよ。じゃあ今回はアセットアロケーションをどういう風に決めていったらいいかの「考え方」を紹介するね。
家族持ちがFIREするための「アセットアロケーションを決めるための考え方」
結論としては、
FIRE前:生活防衛資金を現預金、残りはリスク資産(株式など)
FIRE後:生活防衛資金を現預金、残りはリスク資産(株式など)

FIRE前も後も同じじゃん

そうだね。違うのは「生活防衛資金」をどうやって計算するか、なんだよ。
詳しく説明するね。

あと、今回はわかりやすくするために、「リスク資産=株式」ってことで説明してます。
生活防衛資金の考え方
FIRE前とFIRE後で、現預金として確保しておく「生活防衛資金」は違います。
生活防衛資金って、一般的には「当面生活をするのに必要なお金」と言われています。
月の生活費の3か月分とかいうイメージですね。
でも今回は生活防衛資金をもう少し大きな意味で考えます。
「生活防衛資金」=「今後必要なお金」のうち、「収入」でまかなえない分
以下、FIRE前とFIRE後に分けて説明します。
FIRE前の生活防衛資金の考え方
FIRE前は、月々の生活費や必要なお金は給与収入でまかなえるし、今後も当面はまかなえる見込みということが多いと思います。
この場合「生活防衛資金=今後必要なお金のうち、収入でまかなえない分」とすると、答えは「なし」となります。
ただ「今後必要なお金」は予想外に増えるかもしれません。
また「収入」も何か予想外のことで減ったり、一時的になくなったりする可能性もあります(病気やけが、解雇など)。
そのため、月の生活費の3カ月分などを「今後必要なお金」もしくは「収入」に予想外のことが起きたときの備えとして「生活防衛資金」として用意するのが一般的です。
この「生活防衛資金」をいくらにするかは、「いくらを予想外に備えて確保しておくか」なので、各家庭の考え方や状況によって変わってきます。

今後、2人目の子供が産まれるかもしれないから、そのときは「今後必要なお金」が増えるわね

出産費用とか育児用に50万円ぐらい余分に「生活防衛資金」を確保しておこうか

「収入」の方はどうかな?予想外のことって何かありそう?

今の職場は安定しているから「収入」が減ることはあまりなさそうかな

病気とか怪我で収入がなくなることは?

保険に入っているからたぶん大丈夫。公的保障もあるだろうし。

まあけどそれだと家族の生活費には足りないから、やっぱり生活費の3か月分ぐらいは「生活防衛資金」を確保しておいた方がいいわね。
このような感じで各家庭で話し合いをしながら、心地よい水準の「生活防衛資金」を設定したらいいと思います。
FIRE後の生活防衛資金の考え方
FIRE後は「収入」がなくなります。
そのため「生活防衛資金」=「今後必要なお金」になります。
「今後必要なお金」は、「家族の生活費、教育費、住宅費などのうち、絶対に削りたくないもの」で考えるとよいと思います。

家族の生活費で月25万円は必要よ。あと子供の高校までの教育費は削れないわ。

家族で住む家の家賃月8万円も削れないな。子供が独立するまでの20年は。

生活費25万円/月の20年分だけで6,000万円になっちゃうね

それと教育費500万円、家賃20年分で2,420万円か

合計すると8,420万円!?
全く働かない完全なFIREの場合、このように「生活防衛資金」を確保するだけでも、かなりハードルが高くなります。
アセットアロケーションを考える以前に、それなりの資産がないと、完全FIREは検討できません。
完全FIREは難しいので、少し働くサイドFIREのケースで考えてみたいと思います。

いまの資産は5,000万円ね。アセットアロケーションとやらを話しますか

FIRE後、月15万円は2人で稼ぐとすると、20年で「収入」は3,600万円になるね

なるほど。そうすると、「生活防衛資金」は4,820万円(8,420万円-3,600万円)か。

OK。じゃあアセットアロケーションは4,820万円を現預金、残りは株式にしよう
こういった感じで「今後必要なお金」と「収入」をシュミレーションし、「生活防衛資金」を計算して、アセットアロケーションを決めます。
この方法のメリットは安全で「今後必要なお金」を削る必要がない、ということです。
デメリットは「生活防衛資金」が大きくなるので、株式割合が小さくなり運用収益が小さくなる、ということです。
さきほどの方法では、先に「今後必要なお金」、「収入」、「生活防衛資金」を決めて、その後アセットアロケーションを決めています。
そのため、株式の運用収益が「収入」に入っていません。
アセットアロケーションを決めた後、株式の運用収益を「収入」に入れて、「生活防衛資金」を計算し直すことはできますが、その結果、アセットアロケーション、株式の割合が動きますので、無限ループのようになります。
そのため、次は、まず先にアセットアロケーションを適当に決めて、その後「収入」や「生活防衛資金」を計算するという順番でやってみます。

でもさ、株式の配当金とか運用益もあると「収入」は増えるよね

なるほど。株式を増やすと「収入」が動くんだね。
じゃあさ、株式を4,000万円にして5%で運用したら?

「収入」が200万円/年増える!月だと、16.6万円

毎月の生活費が25万円、家賃が8万円で、、合計32万円
働いた収入が15万円、運用収入が16.6万円、、合計31.6万円

これだと「生活防衛資金」は「今後必要な資金8,420万円-収入7,584万円=836万円」

すごい。じゃあ最適なアセットアロケーションは現預金836万円、株式4,000万円+164万円=4,164万円か!?
一般的には株式を増やすと資産運用収益が増えることが見込まれます。
そのため、一般的に言われているような「資産収益だけで働かずに生きていく」それでいて「資産は一生減らない」という本来の!?FIREの姿に近づきます。
では落とし穴はないのでしょうか?
株式を増やした場合について、もう少しみていきます。

なんかでも怖いかんじもするわね。FIRE後もほとんど株式で運用って、もし株価が半分とかになると、資産が3,000万円になっちゃうわ。

毎月の赤字(生活費+家賃-稼ぎ)が18万円だから、14年弱で資産が底をつくな。

まあ、株価が半分になったときに売らないでもっておけば戻るのかもしれないけど

まあけど、将来もそうなるかはわかんないしね。
株価が更に下がっていくと、本当に生活費で資産が底をつきそう。。

株価が下がっていくときにドキドキしてストレスになりそう。。
株式を増やすメリットは、うまくいけば資産を減らさずにFIRE(サイドFIRE)できることです。
デメリットは、株価が下がって戻らないと「資産+収入」が「今後必要なお金」に対して足りなくなるので、「今後必要なお金」を削るか、「収入」を増やすため再び働かないといけなくなることです。
一方で、株式を減らしたアセットアロケーションの場合、確実に資産は減っていきますが、「今後必要なお金」は現預金で確保されていますので、「今後必要なお金」を削ったり、再び働いて「収入」を増やすしかないといけなくなる可能性は低くなります。

株価が下がって戻らないということが万一起きてしまったら、そのときは頑張ってもう一回働こう!と割り切れるなら、株式を増やす方がいいんだろうね

まあけどシニアの再就職って厳しいしなあ。

一番いいのは、2人で33万円稼げるようになることか。そしたら、株価戻らなくても生活はできるから、リスクとって株式増やせる。

そうだね。それが理想だね。

だんだんFIREじゃなくなってる気がするけど
長くなりました。。
このように「アセットアロケーション」で株式をいくらにするかは「生活防衛資金」を決める際の「収入」に影響します。
まとめると、FIRE後のアセットアロケーションの決め方は以下になります。
「今後必要なお金」の確保を優先したい場合(再度働かないといけなくなる「FIRE失敗」を避けたい場合)
資産運用収益を除いた「収入」で「生活防衛資金」を算出し、それを現預金、残りを株式にする。
本来のFIRE(=働かずに資産運用収益で生きていき資産は減らない)を目指したい場合
資産運用収益を含めた「収入」で「今後必要なお金」をまかなえるところまで株式を増やし、残りを現預金にする。
現実的には、この2つの間のどこか、で株式割合を決める方も多いと思いますので、どこまで株式を増やすかを決める手順の一つを紹介します。
- 株式の割合を適当に仮決めする。
- 株式の過去の最大下落率(ドローダウン)から、1の場合の最大予想損失額を出す。
- 2が実際に発生したら「今後必要なお金」がいくら不足するかを確認する。
- 3の場合にどうするかを事前に話し合う(再び働く、今後必要なお金の●●を削る)。
- 4を行った場合「今後必要なお金」の不足が解消するかを確認する。
- それが家族の価値観的に問題ないなら、OKと判断。
なお、「株価が戻るまで待つ」というのは、「待っている間に出ていくお金(月々の生活費その他)<収入」の状態であればいつまでも待てます。
一方で、そうでない場合は、資産を取り崩さないと生活ができないので、「株価が戻らなくても売る必要がでてくる」という点に注意が必要です。
まとめ
今回は家族持ちがFIREするためのアセットアロケーションということで、アセットアロケーションを決める場合の考え方を紹介しました。
FIRE前は、定期収入があるので一般的にリスク許容度が高い状態です。
そのため、株式に多く配分することで資産形成をしてFIREできる状態に近づけていく、というのがよいでしょう。
一方でFIRE後は、各家庭の価値観や生活スタイル、収入、年齢、家族構成などによって様々なアセットアロケーションが考えられます。
今回紹介したことを細かくシュミレーションしようとすると、「今後必要なお金」や「収入」の発生時期、いついくらの資産取り崩しが必要になるか、取り崩しによる資産収益額の変化などを勘案してシュミレーションすることになります。
ただあまり細かくシュミレーションしても予想外のことは起きると思いますし、シュミレーションに入れている運用収益自体が想定している利回りの通り一定に推移することはまずありません。
おおまかにシュミレーションしたら、あとは最大予想損失額を出して、リスク許容度的に(各家庭の話し合いで感覚的に)、その損失が出てもストレスにならない範囲で、株式割合を決めるというのでよいと思います。

個人的には完全FIREするなら「今後必要なお金=絶対削りたくないもの」は「生活防衛資金」として現預金、残りを株式という状態でFIREしたいと思います。
理想は、「月々の収入>月々の生活費」の状態をつくってFIREすることですね。
そうすると安心して株式割合を増やせるので、結果として「資産が減らない本当のFIRE」に近づけるのかな、と考えています。
わたしのポートフォリオの状況についての記事はこちら。




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