米国では、高い物価上昇率が継続しており、すでに金融当局による引き締め(政策金利の利上げ、市場への資金供給の縮小)が開始され、今後も続くことが見込まれています。
金利の上昇を受け、債券価格は下落トレンドにあります。
日本の個人投資家にも人気がある米国の債券ETFであるAGG/BNDも価格下落が継続しています。
今回はAGG/BNDは今後の金利上昇局面でも継続保有してよいかについて解説します。
この記事を読んでわかること
- 金利上昇局面でAGG/BNDを継続保有してよい?
- AGG/BNDの金利上昇局面でのパフォーマンス
- AGG/BNDの投資戦略
金利上昇局面でAGG/BNDを継続保有してよい?
結論としては、継続保有すればよい、と思います。
理由は、以下になります。
- AGG/BNDは金利上昇局面では価格は下がりますが、値動きの幅は大きくない
- 安定したインカムゲイン(分配金)がある
- 株式との相関が低いので、保有することでポートフォリオ全体の値動きが安定する
AGG/BNDの金利上昇局面でのパフォーマンス
AGG/BNDの値動きの幅は大きくない
まず米国10年国債の過去10年の推移は以下になります。
2020年半ばに0.5%近くまで金利は低下(価格は上昇)し、現在は2.8%まで金利は上昇しています。

次にAGGの価格推移を見てみます。
2020年半ばに120まで価格は上昇し、現在は103まで価格は下落しています。
10年国債金利の動きと逆の動きをしていることがわかります。
また、最高値119からの最安値103までの価格の下落率はおおよそ13%程度です。

ちなみにAGGの残存デュレーション(平均残存期間)は6.57年とのことです。
金利が1%上昇すると価格はおおよそ6.5%程度下がりますので、今後さらに米国の金利の上昇が続き、10年国債が3.8%程度になったとすると、AGGの価格は96程度まで下落する可能性があります。
この場合、最高値119からの下落率は20%程度になります。

安定したインカムゲイン(分配金)がある
AGGの過去10年の平均年間分配金は2.6ドル、対価格の分配金利回り平均は2.43%です。

過去12カ月の分配金利回りは1.86%でしたが、AGGに組み入れられている債券の平均利回りは3.24%です。
今後、金利上昇が続いた際には、価格は下落しますが、分配金利回りは上昇すると見込まれます。

株式との相関が低いので、ポートフォリオ全体の値動きが安定する
AGGのベータ値は0.12です。
ベータ値0.12というのはS&Pが1%下落するとAGGは0.12%下落するということです。
もちろんベータ値通りになる保証はないですが、株価が50%下落しても、AGGは6%ということですので、AGGをポートフォリオに組み入れると、ポートフォリオ全体の値動きが安定する効果が期待できます。

AGG/BNDの投資戦略
投資戦略としては、ポートフォリオの一部として保有し、長期で継続保有するという方法が考えられます。
直近1年は金利が上昇したためリターンがマイナス4%になっていますが、過去10年のトータルリターンは2.18%、設定来リターンは3.52%ですので、長期保有することで安定したリターンが見込めます。

組み入れ債券は格付けBBBが14%入っていますが、すべて投資適格債です。
一般的には債券のデフォルト(債務不履行)が起こる可能性は低いとされている格付けですので、長期で安心して保有できます。

まとめ
AGG/BNDは金利上昇局面で価格は下落していますが、限定的な値動き幅、安定した分配金、株式とのリスク分散効果などが期待できます。
今後も米国では利上げが続くことが予想されていますが、株式よりは安定した値動きをする米国債券ETFをポートフォリオの一部として組み込んでみてはいかがでしょうか。

アメリカのインフレ率を考えると、AGGの2~3.5%のリターンはやや物足りないかも知れません。
それでもすべて株式のポートフォリオだと値動きが大きくて安心して長期投資ができないので、AGGのような株式と相関の低いアセットをポートフォリオの一部に組み入れる方が精神的にもいいかなあと思います。
ポートフォリオのリスクコントロールについてはこちらの記事にも記載しています




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