最近のFIREブームは安定した株価の動きに後押しされている面があると感じています。
しかし、FIRE後に株価が暴落した場合、どのようなことになるでしょうか。
私は4人家族でFIREを目指しているため、FIREに踏み切る場合に、仮に将来株価が暴落しても生活していけるような安全なFIREプランが組めるかどうかを確認したいと思っています。
今回はFIRE後に株価暴落が起こった場合のシュミレーションをしてみたうえで、安全なFIREプランについて紹介したいと思います。
FIRE後に株価が暴落したらどうなるか
【前提条件】
年齢:45才
家族構成:夫、妻、子供2(小学生)
FIRE時の資産額:10,000万円
家:持ち家(ローンなし)
生活費/月:35万円
【資産ポートフォリオ】
FIREを実現する目安としてよく言われる「4%ルール」というものがあります。
「4%ルール」とは、年間支出の25倍の資産を築けば、年利4%の運用益で生活費をまかなえるという考え方です。「4%」という数字はアメリカのS&P株の成長率7%からインフレ率3%を差し引いて計算されています。
今回は、4%ルールに従ってFIREしたという想定で、以下のポートフォリオで資産を保有していたものとします。
| 金額 | 運用利回り | 運用収益/年 | 運用収益/月 | |
| 現金 | 500 | 0% | 0 | 0 |
| 株式 | 9,500 | 4% | 380 | 32 |
| 合計 | 10,000 | 3.8% | 380 | 32 |
【FIRE後に株価が50%暴落した場合におこること】
まず、4%の運用利回りを税引き後で確保しようとすると、資産のほとんどを株式で運用することになります(ここでは不動産投資、という選択肢はなしという想定)。
では、この状態でFIREを決断した直後に株価暴落がおこったらどうなるでしょうか。
当然ながら資産額が激減します。具体的には50%下落すると4,750万円の資産を失い、10,000万円あった資産が5,250万円まで減少します。
| 金額 | 下落率 | 下落後金額 | 下落金額 | |
| 現金 | 500 | 0% | 500 | 0 |
| 株式 | 9,500 | 50% | 4,750 | ▲4,750 |
| 合計 | 10,000 | 47.5% | 5,250 | ▲4,750 |
確かに過去の株価(特に米国株)の動きをみると、一時的な暴落はあっても長期的にみたら株価は右肩上がりで、年利7%の運用ができたのかもしれません。
ただ、1)これが将来も同じかどうかは誰にもわかりませんし、2)そもそも仕事を辞めてしまった状態で、4,750万円もの資産が減るのを、「だいじょうぶ、だいじょうぶ、どうせ株価は戻るから」と平然と言える精神状態でいられるでしょうか。わたしには無理だと思います。
また、50%も暴落する前に、損切ラインを設定しておいて売却すればいいのでは?という意見もあるかもしれません。
ただ、完全リタイアの場合、運用収益以外の収入がないので、株を売却してしまうと収入がなくなってしまいます。株価の下落がどれぐらい続くかはわかりませんが、再度エントリーするまでの間、毎月生活費で赤字を垂れ流すのも精神的にはよくないような気がします。
確かに4%ルールでのFIREというのは理屈の上では成り立つと思いますし、暴落時にも長期で見たら必ず4%以上で運用できるから大丈夫、と思える頑強な精神力があれば、実践可能かもしれません。
一方で、何かがあっても家族は食べさせていける、子供に最低限の教育は施してあげられる、という安全性を重視したFIREをしたい場合は、ちょっと精神的に実践が難しいような気がします。
安全なFIREプラン
では、どのようにすればより安全なFIREプランになるでしょうか。
結論としては、セミリタイア(サイドFIRE)にする、というのが最も現実的な方法だと思います。
先ほどの前提条件でいくと、生活費は35万円/月です。
これをすべて運用収益で賄おうとすると、資産のほとんどを運用資産(上記例では株式)に回さざるを得ません。
しかし、サイドFIREで夫婦で15万円/月を稼いだとするとどうでしょうか。
| 運用金額 | 運用利回り | 収益/年 | 収益/月 | |
| 夫婦の稼ぎ | n.a. | 0 | 180 | 15 |
| 現金 | 4,000 | 0% | 0 | 0 |
| 株式 | 6,000 | 4% | 240 | 20 |
| 合計 | 10,000 | 2.4% | 420 | 35 |
この場合、生活費を賄うために稼がないといけない運用収益は240万円/年、20万円/月まで下がります。そうすると、資産のうち60%を株式投資で運用すると生活に必要な収益が稼げます。
| 金額 | 下落率 | 下落後金額 | 下落額 | |
| 現金 | 4,000 | 0% | 4,000 | 0 |
| 株式 | 6,000 | 50% | 3,000 | ▲3,000 |
| 合計 | 10,000 | 30% | 7,000 | ▲3,000 |
仮にこの状態で株価の暴落がおきたとしましょう。資産は3,000万円目減りし、7,000万円になります。もちろんこれでも結構そわそわすると思いますが、さきほどのように資産が半分になることはないので、少しは精神的にも落ち着いて株の戻りを待てる気持ちでいられる気がします。
また、運用収益以外にも少額ですが働いての稼ぎもあるので、いざとなれば仕事を少し増やすことを検討するなど、完全リタイアに比べて選択肢があるのは精神的な安心につながるかと思います。
なお、上記の例でもまだ精神的に耐えられるかな、と思う場合は、1)もう少し貯めてからFIREする、2)仕事での稼ぎを少し増やす、3)マーケット性のない不動産現物での投資をポートフォリオに組み入れるなどを検討することが考えられると思います。
より安全にいくとすると
上記プランでも6,000万円を株式マーケットに突っ込むことになるので、個人的にはこれだとあまり安心して眠れないような気がします。
実際は、上記プランは、FIRE時の資産が年金生活開始まで減らないようなプランになっており、資産を使っていく前提でいくと、より安全なプランが組めます。
ここでは、FIRE時の資産10,000万円を45~70才の毎月10万円ずつ取り崩していくことを想定します。
この場合、25年合計で3,000万円の資産を取り崩すため、70才時点の資産は7,000万円になります(上記プランとの比較のため教育費等での取り崩しは除く)。
そうすると、以下のような運用ポートフォリオで生活に必要な収益を稼ぐことができます。
| 運用金額 | 運用利回り | 収益/年 | 収益/月 | |
| 夫婦の稼ぎ | n.a. | 0 | 180 | 15 |
| 資産の取り崩し | n.a. | 0 | 120 | 10 |
| 現金 | 7,000 | 0% | 0 | 0 |
| 株式 | 3,000 | 4% | 120 | 10 |
| 合計 | 10,000 | 2.4% | 420 | 35 |
| 金額 | 下落率 | 下落後金額 | 下落額 | |
| 現金 | 7,000 | 0% | 7,000 | 0 |
| 株式 | 3,000 | 50% | 1,500 | ▲1,500 |
| 合計 | 10,000 | 30% | 8,500 | ▲1,500 |
このポートフォリオであれば、株価が50%暴落しても、資産の目減りは1,500万円で済みます。これであれば焦らず株価の戻りを待てる気がします。
まとめ
家族持ちでFIREする場合、FIRE後の株価暴落などリスクも十分に想定しておく必要があります。
また、理屈上だけではなく、実際に暴落が起きたときの精神状態などもできるだけ想像して、実践可能な計画にしておきたいところです。
今回は、比較のために、現金と株式だけという極端なポートフォリオでシュミレーションをしましたが、現実的には債券など他のアセットをポートフォリオに組み入れることで、リスクリターンをよりよくした運用ができると思います。
それらの具体的な運用先、運用方法については別の記事で書いていこうと思います。




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