【2025年最新の追記】 この記事は2022年5月時点の分析です。当時は「様子見」と判断しましたが、その後の4年間(2022-2025年)を経て、米国債券ETFへの投資がどのような結果になったのか、最新の通算成績をこちらの記事で公開しています。
米国金利が上昇中です。
金利が上がると債券の価格は下がりますので、債券ETFであるAGGのドル建て価格は下落が続いています。
一方で、金利上昇により、AGGが投資する債券から受け取れる利息も増加します。
今回は、それらを複合的に考えてAGG購入のタイミング、現在AGGは買い時かについて解説します。
この記事を読んでわかること
- AGGはチャート的に買い時か?
- AGGを価格が高いときに購入した場合の投資リターンは?
- AGGの今後の価格はどうなる?
AGGはチャート的に買い時か?
結論、円高になる or 日米金利差がさらに拡大するまでは様子見が妥当と思います。
どうしても買いたい場合は、時間分散をして買う、ということをおすすめします。
AGGを価格が高いときに購入した場合の投資リターンは?
ここから様子見が妥当ということの理由を順に説明します。
ドル建てでの投資リターン
まず、いま米国では金利が急ピッチであがっているので、AGGの価格は下がっているよね?と皆さんお考えだと思います。
ご想像の通りです。
以下のチャートは、米10年債の利回り(左軸)とAGGの価格(右軸)の推移を比較したものですが、利回り上昇に伴い、AGGの価格は下落しています。
ピーク時の119(2020/7)から現在は103程度まで下落しており、下落率は約13.5%です。

一方で、金利が上がっているのだから、分配金利回りはあがっているはず!とお考えだと思います。
はい、それもその通りです。
2022/5の分配金は0.1813ドルと2022/4の0.1598ドルから増加しています。
また、価格下落もあり、利回りは2.12%程度まで上昇しています。
(0.1813ドル×12÷現在の価格102.5で単純計算した場合)
以下はAGGの分配金利回りと米国10年債の利回りの推移を比べたものですが、米国10年債の利回りが上昇するとAGGの分配金利回りも上昇する傾向にあります。

ここまでで、金利上昇はAGGの価格にはマイナスの影響、利回りにはプラスの影響ということがわかりました。
それでは、AGGを最高値で一括購入してしまっていた場合、結局勝っているの?負けているの?ということについてはどうでしょうか?
結論としては、ドル建てであれば負けています。
| 最高値(2020/7)にAGGに投資した場合 | 損益(ドル) | 算定方法 |
| 分配金合計 | +4.0 | 2020/7-2022/5の分配金合計 |
| 値下がり | -17.1 | 2022/5の価格-2020/7の価格 |
| 合計 | -13.1 |
これは、米国金利の急上昇による価格の値下がりの影響が、分配金合計より大きかったためです。
円建てでの投資リターン
ここまでの解説を聞いて、でも円安も進んでいるので、円ベースだったら勝っているんじゃないの?と疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。
ですので、次に、円建てだったらどうだったかを見てみます。

はい。ご想像の通りです。
上のグラフの赤色はAGGの価格推移を円建てで示したものです。
急激な円安が同時に進んでいるため、AGGの円建てでの価格はおおむね右肩上がりで推移しています。
AGGに最高値で投資していた場合の収支を円建てで示すと以下の通り、勝っています。
| ドル建て | 円建て | |
| 分配金合計 | +4.0 | +448 |
| 価格変動 | -17.1 | +535 |
| 合計 | -13.1 | +983 |
最高値で購入した場合の、円建てでの投資リターンです。この間、米国金利上昇によりドル建てのAGG価格は下落しましたが、それ以上に円安の影響を大きく受け、トータルで見ると4%/年のリターンとなっています。
| 円建て | 利回り | |
| 投下資金 | 12,663 | |
| 回収資金 | 13,646 | 108% |
| 期間 | 1.83年 | 4%/年 |
このように、AGGに投資する場合、金利だけでなく、為替の影響が投資成績に大きく影響をします。
AGGの今後の価格はどうなる?
では次に、AGGの今後の値動きはどうなるかについてみていきます。
もちろん、今後の値動きを正確に予想することはできませんので、ご参考としてみていただければと思います。
AGGの価格と米国金利の関係
まず、改めてAGGのドル建て価格と米国10年債利回りの関係について確認すると、金利が上がるとAGG価格は下がります。
今後、金利はまだ上昇する余地があると考えると、AGGのドル建て価格はまだ下がる可能性があると言えます。

ドル円と米国金利の関係
次に、為替について考えます。
以下は日米の10年国債の金利差とドル円為替レートの推移を示したものです。
この間の動きで見ると、金利差が拡大するとドル高円安が進むという動きになっています。

これらをもとに、今後のAGGの価格がどうなるかを予想すると、以下のようなシナリオが考えられます。
シナリオ1)ドル高
米国金利がさらに上昇
→AGGのドル建て価格は下落
→日米金利差が拡大し、ドル高円安が進む
この場合、AGGの円建ての価格は上昇し、円ベースではそれなりのリターンが得られる可能性があります。

シナリオ2)ドル安
米国金利がさらに上昇
→AGGのドル建て価格は下落
→日米金利差は拡大するが、ドル高円安は進まず、逆に揺り戻しで円高に。
以下のチャートで見ると、日米金利差は、2018年頃にもいまと同様2.5~3%ありましたが、そのときのドル円は110~115円のレンジでした。
いまは米国の金利上昇、コモディティ価格価格上昇などで130円までドル高円安が進んでいますが、日米金利差との比較の観点でいうと、2018年頃と比べて、かなりドル高の水準のようにも見えます。

シナリオ2-2) 今からAGGに投資して、ドル円が117円(10%ドル安)になった場合のリターン
AGG投資におけるドル安リスクの影響を試算するため、以下の前提でリターンを計算してみます。
・購入後3年間保有
・分配金は2022/5の水準が3年続く
・ドルの金利はさらには上がらずAGGのドル建て価格は3年後同じ
・ドル円が130円から117円に(10%ドル下落)
結果は以下です。
| 円建て | リターン | |
| 投下資金 | 13,198 | |
| 回収資金 | 12,756 | 97% |
| 期間 | 3年 | -1%/年 |
仮にAGGのドル建て価格がこれ以上下がらなくても、ドルが10%下がれば分配金込みの円建てリターンはマイナスになります。
債券はもともと株式ほどリターンが高くはないため、為替で大きく負けると、トータルでも負けるという結果になります。
まとめ
AGGへの投資は米国金利だけではなく、円建てリターンで考えると、為替の影響を大きく受けます。
足元のドル高円安の動きは、金利差との関係でみても少し急ピッチな感じがします。
債券投資のリターンに与える為替の影響は大きいことを考えると、個人的な意見としては、AGGへの投資は、少し円高に戻る or 日米金利差が更に拡大(かつドル円は同レベル)のどちらかになるまで様子見が妥当かと思っています。
ただし、為替の動きを読むのは難しいのも事実です。
タイミングを待たずに投資をしたいという場合は、時間を分散して投資するのがよいかなと思います。

AGGは安心して長期保有できる優良ETFなので、金利や為替の状況もみながら、追加投資のタイミングを検討したいと思います。
AGGについての過去の記事はこちら
円安環境での投資についての記事はこちら
米国債券についての過去の記事はこちら
AGGより高利回りのETFについての記事はこちら











コメント